じぃさんの頭の中

普段考えていること、読んだ本、見た映画等。私を創るものを垂れ流し

さるのこしかけ(さくらももこ)

 

さるのこしかけ (集英社文庫)

さるのこしかけ (集英社文庫)

 

 

ちびまる子ちゃんの作者、昨年逝去してしまったさくらももこさんのコラム集。

もものかんづめたいのおかしらに続いて呼んだコラム集3冊目になります。

他2作もそうでしたが、何よりもその感性と言葉選びが抜群。日常のなんでもないような一場面がまるでコメディの1シーンであるかのように感じます。

この作品は私が長々と感想を書いても意味がないと思いますので、作品から気になった言葉を引用して紹介とさせていただきます。

"ぢとは、かなり厳しいものらしい。友人・知人・母親などから幾度となくその恐ろしさは伝えられてきた。ある者は「居ても立ってもいられない。もう、体を丸めてうめくだけだ」と語り、またある者は「尻の穴で壇ノ浦の合戦が始まったようだ」と語る。"
― from "さるのこしかけ (集英社文庫)"

"なんと役に立つ草が、この地球上には存在しているんだろう。もうどんなに辛い物を食べても、太い便が出てもこわくない。ドクダミさえあれば肛門世界はパラダイスだ。"
― from "さるのこしかけ (集英社文庫)"

"いさお君の書いた絵と文字があった。「たこあげ大会」いさおそのあとには、たこあげ大会でたのしかった思い出が書かれている。浜でねころんで見た自分のたことみんなのたこの事が書かれている。その絵は、自分と、水筒と、上がっているたこと、浜辺の石。彼の書いたものの中に、私の失いかけていたもの全てがあった。彼の眼は全て映している。浜辺の石も水筒もそのまま映している。選んでいない。ニュートラルな感性で物事を映す心がいかに得がたいものか。彼はいつも全てに対してニュートラルなのだ。そこに彼の絶対的な存在感がある。"
― from "さるのこしかけ (集英社文庫)"